interview お客様インタビュー

合理性に富んだ美しいスタイルの店舗および 賃貸併用住宅

賃貸併用住宅
田中邸(ルネス神宮前)
  • 工法 外断熱ルネス工法RC造
  • 鉄筋コンクリート3階建て
  • 東京都渋谷区神宮前 / 2008年2月2日竣工
  • 敷地面積 / 310.61㎡
  • 延床面積 / 612.36㎡
  • 建築面積 / 180.12㎡
  • 自宅 + 賃貸住宅 + テナント

渋谷の駅から表参道方向へ少し歩くと、神宮前の閑静な住宅街が広がります。徒歩圏内に賑やかな渋谷の街があるとは思えないほど、ゆったりとした町並み。その中でも、丁寧に手入れされたガーデニングが一際目を引く建物が「ルネス神宮前」です。建物の周りの花や緑がきれいに彩り始めた、初夏の日曜日、田中邸を訪れました。

スッキリ暮らすライフスタイルへ

そもそもここに住むことにしたのは、お母様の樋浦さんのご実家が近くにあり、お母様は昭和32年からこのあたりに住んでいたから。お母様は結婚されたのち、ご主人の転勤であちこちにお住まいになり、昭和56年にこちらへ戻ってきたそうです。ここにはお母様がご主人と住んでいたご自宅とその裏にご両親が経営していた木造アパートがありました。それらをお母様が相続され、ひとつの土地になったことから、新しく立て替えられたのが現在の建物です。
「転勤族で方々へ参りますと収納が大変なんですね。ですから当時から荷物はできるだけ少なくするよう心がけておりました」とお母様。そうした経験から収納に便利なルネス工法を選ばれたのかと思い、その理由を伸一さんにうかがってみると、意外なお答えが返ってきました。伸一さんが床下収納に興味を持ったのは、仕事の関係でドイツのベルリンに3年間お住まいになったときの経験からだそうです。
「あちらではそれぞれ家の地下などに倉庫があるんです。倉庫にモノをしまい、部屋には必要なものだけ置いてスッキリ暮らすというライフスタイルでした。それは一戸建てにとどまらず集合住宅にも部屋専用のトランクルームが備えられていて、ドイツ人のライフスタイルのようになっていました」

蔵書が多く、子供のおもちゃもたくさんあったので、いずれ家をどこかに構えるならまず収納を考えるべきだと感じていたそうです。しばらくするうちに床下収納という手法があることを知り、ネットで「床下収納」と検索したところ、丸二のホームページに行き当たったそうです。
「ホームページにはルネス工法が詳しく紹介されていて、これはモノが多いウチにピッタリだと直感しました。しかも自宅と店舗・賃貸をいっしょにして経営する手法も紹介されていて、床下収納はスペースが広くとれることから賃貸をする上でも有利。これならルネス工法でお母さんの土地に新築しようという結論になり、丸二さんにお願いすることにしました」

賃貸は満室

渋谷区神宮前という絶好のロケーションと、もともとアパートを経営されていたこともあって、当初から賃貸、店舗併用住宅にして長期間安定的な収入を確保し、ローン負担を軽減するとともに固定資産税を節税することを考えてはいたのですが、建築、とりわけ法令等についてよくわからなかったそうです。
はじめ細長い土地だったのでそのまま普通にビルを建ててほしい、できれば5階建てのビルがいいと思っていたそうですが、法令上の関係で3階までしか建てられないことがわかりました。そこでいろいろ相談に乗ってもらったそうです。

「丸二さんには賃貸、店舗併用住宅の実績があったので大変頼りになりました」と伸一さん。賃貸の部分を住居にするか、店舗にするかで迷ったそうですが、地元の不動産屋さんに聞いてみたところ、「この場所だったら住居よりも店舗の方がいい」とすすめられて1階と2階は店舗にすることなりました。その結果、建物は1階が店舗、2階が店舗とお母様を含め家族5人で暮らす自宅。3階が奥様の妹様ご夫婦宅と賃貸2部屋となりました。
テナントも程なく決まり、現在は1Fに歯科クリニック、2Fには美容室が入っています。特に不動産屋さんに「これくらいの間取りなら、2階には美容室が入るんじゃないですか」と言われたそうですが、その通りにすぐ決まったことに驚いたそうです。3階の賃貸住宅も入居者がすぐ決まり、現在満室状態となっています。
「ルネス工法のおかげで収納スペースが広く、ほかの賃貸と比べて明るく開放的な空間となっていることが大きいのではないでしょうか」と美奈子さん。
しかしルネス工法だけなく、建物の価値を上げるためのさまざまな工夫もされていました。

そのひとつがエレベーター部分の壁に採用されているガラスブロック。これはイタリア・フィレンツェのベトロアレド社のもので、エルメス銀座店で使われているのと同じ素材です。さらに内側からスポットライトで照らせるようになっていて、夕方にはガラスブロックが輝く工夫がされています。こうした外装へのこだわりが建物をより魅力的に見せているのでしょう。

外断熱でカビと無縁の生活

ルネス工法と並んで住み心地を良くしているのが外断熱工法。外断熱工法とは建物の外側を断熱材ですっぽり覆う手法で、壁内部の結露がなく、結露から生じる室内のカビやダニの発生を防いでくれる特長があります。田中邸もこの外断熱工法を採用しました。

「場所的にあまり陽が入るほうではないのですが、冬は寒くないですし、夏も暑くありません。今はこれが当たり前のように感じていますが、住んでいて不満を感じないということは逆に快適だということの証ではないでしょうか。2年間住んでいて朝冷えるとか、カビの心配はまったくありません。」と美奈子さん。

以前住んでいた賃貸住宅はカビが生えやすく、とりわけカーテンなどのカビに悩まされ続けていたそうです。それに比べると今の生活は快適そのもの。もちろん密閉性が高いので、換気には気をつけていて、窓など開けられるときはできるだけ開けて風を通すように心がけているそうですが、部屋だけでなくルネスの中も全くカビがはえないし、家の中がじめっとすることもないそうです。「カビとは無縁の生活になりました」と美奈子さんは大変満足されていました。

さらに生活を快適にしているのが玄関とお風呂場に取り付けた乾燥機&電気ヒーター。これもベルリン時代の経験から採用した設備だそうです。

「ベルリンの冬は氷点下になることもしばしばでしたが、玄関にこれがあると冬でも温かくて快適です。また梅雨の季節など雨でぬれたものをかけておくとすぐ乾くのですごく便利。これはいらっしゃった方に大変好評で、よく褒めていただけます。しかも乾かすために一晩中つけていると朝玄関がとても温かくて、でも電気代は安いんですよ」
なんでもこの乾燥機はいま女性に人気なのだそうで、同じものがお風呂場にもついていて、掛けておくだけでタオルを乾かせて、冬場は脱衣所が温かくできるのでとても重宝するのだそうです。

キッチリした担当者のおかげで想いがカタチに

内装を決めるにあたって営業の方から「先にご希望をおっしゃってください」と言われたそうです。そこではじめにお願いしたのは「直線のイメージ」にしてムダなスペースを出さないこと、そしてすべて焦げ茶を基本にしたトーンで構成し、玄関や廊下、リビングは焦げ茶とベージュとグリーンにすること。さらに本棚に扉をつけて、すべて見えなくなるようにすることを求めました。ところが焦げ茶を揃えるのが凄く難しく、当初天然の床材をと思っていたのですが、自然な木の色で焦げ茶はないので断念し、面材や床材の色を揃えるなら、ひとつのメーカーにしないと無理とのことで、すべてナショナルさんで統一したそうです。おかげで見事なまでに統一した色合いが実現できました。小さなところも見逃さず、納得いくまで追求する担当者に恵まれたと美奈子さんは言います。

「担当の方がとてもキッチリしたかたで、すべての角が直角になるよう作ってくれました。裏の都立青山病院の取り壊し工事のとき、振動がひどいので検査にこられた方が室内を計測されて、どの部分もしっかりと直角になっていていることに驚かれて、素晴らしいと褒めていただけました。専門家が見て驚く精度だったんです」

そのほかカーテンレールを隠したかったので、ボックスを埋め込み天井が高く見えるように工夫したり、担当の方が玄関ドアの上のあかり取り用にきれいなステンドグラスを探してくれたり、シャンデリアの光のひとつをあかり取りの方向を向けて、夜つけておくと外から非常にキレイにみえるようにするなど、細かい部分にこだわりと個性が発揮されています。

そして伸一さんにはテレビもゆっくり見られる書斎コーナーや、お母様の樋浦さんには掘りごたつ付きの落ち着ける和室など、家族それぞれが思い思いにくつろげる場所を生み出していきました。
「後戻りできないこともあるとのことでしたので、じっくりお付き合いいただけてよかったです」と美奈子さんは振り返ります。

プロが演出したとっておきの場所

最後にとっておきの場所ということで見せていただいたのがご夫婦のお部屋に作られた出窓。設計士の方に「腰掛けるタイプの出窓がほしい」といって作ってもらったのだそうです。本来ここに出窓を作るのは無理だったとのことですが、そこをなんとかお願いして実現した美奈子さんお気に入りの場所です。
水色のカーテンはローラアシュレイ。ローラアシュレイの方にカーテンに合わせてシートクッションを作ってもらい、壁紙はカーテンに合わせた色をサンゲツの方がチョイスされたとのこと。実はリビングのベージュの壁紙には緑が入っていて、普通に明かりを当ててみるのと、壁紙のそばに観葉植物などの緑を置いてみるのとで色が変わって見えるのだそうです。確かに緑を置くとよりグリーンに見えてきます。その仕事ぶりに美奈子さんは感心しきりでした。

「色のプロは凄いですね。素人では分からないような違いを見分けて、全部調べてくださいました。このカーテンの水色に合う壁紙はこれです、と推薦してくれたのがこの色でした」

お部屋の色彩や調度のホレボレするような見事な調和を見ていると、日本にいることすら忘れてしまいそうです。さらにこだわりは天井にも。
「寝室の天井は間接照明にしました。寝ているときも、天井を照らすこのライトは眩しくありません。しかも天井には模様があった方が凹凸による影ができてキレイなんです、みなさんに協力していただいて、こんなステキな場所ができたことに本当に感謝しています」
ご夫婦はこの2年間忙しくされていたので、出窓でアフタヌーンティをする余裕がなかったとのことでしたが、これからは時間を作っておしゃれな出窓を活用されることでしょう。美奈子さんとっておきの場所からは、初夏に映える生き生きとした緑がのぞいていました。