ルネス・シーナの他にも数件のアパートと貸事務所を所有のSさん。しかし今回の完成までには並々ならぬ道のりがあった様です。平成6年よりマンションの建設を計画、大手メーカー他2~3社の建築会社に順を追って依頼します。しかし、計画を進めていく上で起こる問題点や、こちらの意向に対しての明解な回答が得られず、先々の不安が募ります。最終的に公庫の関係もあり、建築会社の言うままに契約を結びますが、誠意のない対応に納得できない部分が残り、建てた後にトラブルがあるのは困ると考え、違約金を支払い契約を白紙に戻します。その後、特優賃※等も考えますが、やはり住む人のことを考えると納得がいかず、計画は暗礁に乗り上げます。
(※特定優良賃貸住宅供給制度)
奥様が以前からこだわっていたのが床下収納。懇意にしていた設計士の先生に相談すると、ルネス工法を開発した大分県の飯田建築設計事務所を紹介されます。百聞は一見にしかずと飯田先生を尋ねます。実際ルネス工法を目の当たりにして、聞く以上にすばらしく、やはりルネスしかない」ことを確信されます。それからが、また大変…。千葉県内でルネスが実践できる建築会社を探しますが、コスト・設備等の問題で納得できません。一時はあきらめかけましたが、やはり先々入居者のことを考えると床下収納を始め、遮音性、メンテナンス、バリアフリー、採光といった付加価値のあるマンションへのこだわりは捨てられません。そんな奥様の信念が通じたのか、その2ヶ月後、読売新聞で偶然見たのが、ルネス工法の賃貸マンション「ルネス緑町」の紹介記事。しかしそこには丸二渡辺建設の名前はありませんでした。とりあえず記事に掲載されていた方に直接連絡し、その方から丸二渡辺建設にたどり着きます。
今まで度々味合わされた不誠意な対応と打って変わり、懇切丁寧な応対、現場経験もある営業担当者の飾り気のない人柄、良い建物を建てたいという心意気に、今までの不安も一掃されます。最初から突っ込んだ話ができ、Sさんの今までの意向も伝わり、その後話はトントン拍子に進みます。
4月からの入居に間に合わせるため日程が厳しかったにもかかわらず、10ヶ月で工期終了。ご自身のこだわりをあきらめず、何年もかけてルネスと丸二渡辺建設にたどり着いたSさん。住む人の気持ちになって、部屋の中は細部にいたるまで気を配られています。
ルネスならではの床下収納、ハイサッシ、バリアフリーはもちろん、ピクチャーレール、フットライト、キッチンのガラスブロックなど分譲のマンションでもなかなか見られない工夫がなされています。システムキッチン、壁紙、洗面台も奥様がカタログを取り寄せ一つ一つお決めになっていったとのこと。こうした作業の中でコストや仕様についても、担当者と納得の行くまで話し合われながら完成を迎えました。
「現場監督さんはじめ職人さんの努力に感謝します。」ご主人と奥様の言葉です。工事が進むに連れ、計画段階では表面化しなかった問題も起こります。こうしたほうが良いのではと思う部分も出てきます。外壁の微妙な色着け、煉瓦タイルの張り方一つで雰囲気も変わります。そんな細かいこだわりにも全て応えてもらえたとのこと。職人さんの中には、休日も返上し、夜中まで作業してくれた方もいたとか。4月10日の竣工式には工事に関わった方を招待されました。
完成したルネス・シーナを見て、皆さんこの仕事をして良かったと言ってくれたそうです。
18戸の内16戸は工事中に申し込みがあり、2年経った今でも空室が出るのを待っている方がいる状況です。もちろん入居者の方々にも満足いただき、今回始めて迎えた更新では、転勤される方以外全て更新されたそうです。
建物の外観も部屋の中も、2年経ったとは思えないほどきれいに保たれています。奥様が当初からこだわり続けた床下収納は、各家庭それぞれの使い方で充分活用され評判は上々です。遮音性も高いため音によるトラブルもありません。加えて、室内の空気の循環が良く、観葉植物も良く育つそうです。
今後のメンテナンスの面でも安心。ゆくゆくはリフォームも考えて、100年住宅を目指します。時が経つほどにその価値を実感できるのがルネス空間です。丸二渡辺建設との信頼関係も続いています。
お互いが満足できた「ルネス・シーナ」。この貴重な財産を守っていく上で、アドバイスを受け、メンテナンスを任せています。
取材が終わる頃には、それまでの天気が嘘のように風が止み、雨も上がり、薄日まで射し始めました。
「ルネスに惚れて建てました。」と力強くおっしゃった奥様の言葉を胸に刻み、私達は現場を後にしました。