2012.01.10
想像し、創造する。
年が明けて10日が過ぎ、世間も平常運転になって来ました。元旦に地震があって、ちょっとドキッとしましたが(私は外にいて、全く気が付きませんでした)、まずは穏やかな滑り出しのようです。それでも社会全体を覆う様々な事象については、なかなか思うように前へ進まず、とりあえずの対策のままで、何とか表面を維持しているように見えます。「変えよう」とするアクセルと「変えたくない」とするブレーキの両方を踏んでいる状態ですので、どちらにも進んでいないように見えますが、今後はアクセルの力の方が増して行くのは必然です。そのようにして2012年は進んで行くと思います。
「変える」というのは、本当に大きなエネルギーが必要ですし、もちろん恐い気持ちもあります。でも、やはり何かしらの「動き」を出さない限り、事態は良くなりません。事態が動けば、今までの安定均衡が崩れるので、当然さまざまな問題も平行して起きて来ます。それでも、速度を落とさずに進んでさえ行けば、必ず次の段階の(新しい)安定均衡の道へと出るのでしょう。
2012年は、昨年の3.11以後、この「動き」が加速していく年になると思います。だから、日本も、自分自身も、あえて不安定(逆境)な状況の中に積極的に飛び込み、でこぼこ道を行く必要があると思います。今まで走っていた(安全だと思っていた)道の先では、大きな崖崩れが起きているからです。だから、もうすでに、でこぼこ道(苦難道)に入っている人は、逆に早く(新しい)綺麗な道に出るのかもしれません。そう信じていけば、そう成ると思います。何が幸いするか、分からないのだから、「いま」に感謝をして、前へ向かってアクセルを踏み続ける。日本はきっと、最高の道に行けると思います。
さて今年は辰年(昇龍)です。辰年は(過去の平均から)最も株価が上昇する年と言われていますが、前回の2000年の時は下がりましたので、今は別の形で「昇龍」現象は起きて来るのだと思います。多分、一人ひとりの意識が高まる(上昇)というような形ではないでしょうか。それは、経済的な面と(すぐには)結びつかないため、「良くなった」と感じることが出来ないかもしれませんが、後で振りかえると「あぁ、良い一年だったんだなぁ」と成るような気がしてなりません。
ここは、人によって差が出て来るのかもしれません。置かれた状況(環境)に全く関係なく、「何だか分からないけど楽しい、面白い、ワクワクする」と言う人と、「何だか分からないけど不安、心配、恐い」と言う人とに。ここがポイントではないでしょうか。「楽しい、面白い、ワクワク」の人は、きっともうすぐ良い道に出られるのだと思います。「不安、心配、恐い」の人は、なかなか悪路から抜け出せないのだと思います。自分自身の「良心(太陽)」に従って、「自力」で生きて行く腹を決めれば、自動運転装置に切り替わって、良き道へ向かわせてくれるような気がします。「依存からの脱却」が今年のテーマだと考え、「自分自身」を生きて行こうと思います。
話は変わりますが、先のブログで、指揮者のフルトヴェングラーのことを書きましたが、この人の音楽の特徴に、極端な「速度の変化」というものがあります。普通はインテンポ(一定のテンポ)で演奏するところを、フルトヴェングラーは、リタルダンド(だんだん遅くする)や、アッチェレランド(だんだん速くする)等をして、音楽に感情(意識)を投入していきます。これは「譜面通りでないからダメ」のような意見も確かにあるのですが、聞いていて、とても自然で、人間的で、心から音楽に感情移入することが出来ます。どんどん減速(リタルダンド)することによって、その後の音楽から、最高の喜びや歓喜、感情の爆発が生まれるのです。
インテンポ(一定のテンポ)で淡々と(ただ安全に)生きて行くよりも、時には減速して、止まってしまうようなことが起きたことによって、その後の人生が爆発するという面があるように思います。楽譜とは、作曲家の頭の中(天から受信?)にあるものを、便宜的に紙に書き写したもので、頭に思い浮かんだものの「全て」ではないはずです。楽譜に書き留められなかったものまでを想像して、「創造」するのが、指揮者の仕事だとすると、「ただ譜面通りやれば良い」というのは、何か違うような気がします。
実は建築も同様で、図面は、(作曲家である)設計者の頭の中にある建物の姿を、便宜的に平面に書き写したもので、その全てを表現できているわけではありません。(指揮者である)現場監督が、その図面から、建物の全てを想像して、実際に「創造」するのです。図面通りは当たり前で、その上に、感情(意識)を投入していくものです。だから、現場監督は、人間性で決まるのです。その建物の全てを、住む人の気持ちになって考え、お客様にとっての「最良」とは何かを想像し、「創造」するのです。これは人間性の発露、そのものではないでしょうか。
私は、施工管理技術者(現場監督/指揮者)という仕事を、心より尊敬します。音楽も建築も、指揮者(現場監督)と聞く人(お施主様)で成り立つものです。その創造作業の中に、書かれているもの以上の「何か」を想像し、「創造」することができるのは、特別な仕事だと思います。そして、自分の人生を指揮するのは、自分自身です。ただ無意識にレ-ルの上を行くのではなく、本当の自分自分の姿を想像し、「創造」することが大切だと思います。外側の世界に依存し、外側の世界に合わせるだけで、自分自身を生きていないことこそが、本当の不幸ではないかと思います。幸福とは、自分自身を生き切ることだと思います。だから「幸福は今、ここにある」と言うのは、本当のことだと思います。
今、日本を含めて世界は、大胆なリタルダンド(減速)の最中にいます。でも、その先には大胆なアッチェレランド(加速)が待っています。これは、私たちが本当の喜びを最大限に感じられるようにするための、大自然の大いなる計らいかもしれません。共に、良き未来を想像し、「創造」して行きましょう。
2012.01.05
昇龍
丸二は今日から仕事始めですが、これから一年間の年次計画発表会を行いますので、通常業務は明日(6日)からとなります。何卒よろしくお願いいたします。
さて、今年は一体どのような年になるのでしょうか。否、どのような年になるかと言うよりも、どのような年にするのかの方が大事ですね。全ては一人ひとりの心の持ち様ですので、「良き一年にする」と決め、信じて行動すれば、「良き一年に成る」と思います。私自身の場合は、今年は辰年で「年男」ですので、昇龍のごとく、全ての人々と一緒に、明るく元気で幸福な一年にして行こうと決めています。だから、今からワクワクです。
大変化は、決して危機では無く、大チャンスだと思います。そのように捉えられれば、今の世の中の状況は、素晴らしい可能性に満ちた環境にあると考えます。そこへ向けての挑戦(チャレンジ)ですね。百年に一度か、千年に一度かは分かりませんが、2012年は千載一遇のチャンス(龍)が眠っている年に成ると思います。その(全ての人の心の中に在る)龍を目覚めさせるために、自分自身の良心に従って、前向きな気持ちで、最善を生きることだと思います。
本当に面白い時代に成りました。あらためて、本物の「衣食住」の時代が来たように感じます。人や自然が共に仲良く暮らして行ける、よりシンプルで、より健康で、より自然な状態が生まれて来るのではないかと期待します。互助の精神、自給自足の暮らし、和の文化・・・。不要なものがドンドン削除され、本当に必要なもの(十分なもの)しか残らない時代へ。時間は掛かると思いますが、この変化の意義は大きいと思います。建築の分野においても、大いなる貢献が出来そうです。今年もよろしくお願いいたします。
2012.01.04
お正月
今年のお正月は、家でのんびりでした。大晦日も、いつもはテレビを見ながら過すことが多いのですが、今年はほとんど何も見ずに、静かに年を越しました。お正月番組も箱根駅伝の往路だけ。東洋大学の柏原君の自己ベスト更新は本当に素晴らしかった。他の選手たちも、みんな最善を尽くしたのでしょう。自分自身の持っている力をフルに出し切り、自己成長を遂げて行くことこそが人生なのだと、あらためて感じます。今年からは、もう他者との競争の時代ではなく、自分自身の成長へフォーカスです。何のために生まれて来たのか、それは自分自身をより高めて行くためなのだから、いろいろな経験をして、それをクリアーしていくことが真の喜びになってくると思います。多分、そのような時代へ変わって行くのでしょう。
さて、この年末年始は、何冊かの本といくつかのCDを買い、それらを楽しみました。本に関して言うと、経済系にしても、精神世界系にしても、これからの世界の命運は日本が握っているということにおいて、一致していたように感じます。私もそう思います。責任重大ですね。でも、日本人はきっとやると思います。2012年は、かなりの大変化が起きそうですが、日本人の本当の力を世界に示すには、良い年です。それは、日本人一人ひとりの精神性の発露(思い出すこと)によって起きるのではないかと想像します。普通の人たちの素晴らしい人間性が、日本の、否、世界の宝に成ると。今からワクワクします。
CDの方は、とても収穫でした。クラシックを聞き始めた頃、一番好きになった指揮者であるドイツのフルトヴェングラーのCD を数枚買ったのですが、これが本当に良かった。フルトヴェングラーという名前を知っている人は少ないと思いますが、クラシックの世界では、最高峰(神)の存在です。もちろん、昔の人ですし、ナチスドイツの時代ですので、録音も古く、当然全てモノラルです。それにも関わらず、亡くなった1954年から60年近く経った今でも、多くのCDが発売され、たくさん売れています。
そのCDのほとんどが、音質を改善するために、新たなマスターテープを発見したり、リマスタリングをしたり、状態の良いアナログレコードからの復元盤等、血と汗と涙の結晶のようなもので、それくらい、少しでも良いからフルトヴェングラーの生の演奏に近いものを体験したいという、多くのクラシックファンの願いが存在しているということです。同じ曲でも、演奏日が違う録音が発見されれば、大騒ぎとなります。現代では、このような演奏家は、クラシック以外のジャンルでも、そうはいないでしょう。
フルトヴェングラーは、ドイツのベルリンフィルの指揮者でした。戦争が始まり、ナチスの支配下から多くの芸術家たちが国外へ亡命して行きましたが、フルトヴェングラーは、最後まで残り、戦火の下で、ベルリンフィルを振り続けました。当然、ヒトラーの前での演奏会もあり、亡命した人たちは、「ナチスに協力した人物」として、激しく非難しました。でも彼は、ナチスを批判しながら、ドイツ音楽を護り、善良なドイツ民衆へ(苦しい時だからこそ)良き音楽を聞かせるために、そのような中傷にも負けず、やり遂げたのです。
今回買ったCDの中に、戦争が終わり、戦後初めてのベルリンフィル演奏会の初日(1947年5月25日)の実況録音があります(フルトヴェングラー・コンプリートRIAS レコーディングス)。曲はベートーヴェンの田園と運命です。私は3日後の27日の録音(運命)を、クラシックが好きになった頃、CDで聞いて、もう本当に感動してしまい、今でも大切にしています。でも、今回CDで聞いたのは、その公演の初日、つまり戦後初めて、ベルリンフィルの音が鳴った瞬間の記録です。しかも、その音の状態がとても素晴らしく、驚くような音質で、生でフルトヴェングラーを体験できたかのような気持ちになりました。
志を持って、命を懸けて、最善を生きる。その感動は、60年経っても、100年経っても、色褪せるどころか、むしろより高まっています。戦争が終わって、念願の平和が来て、中断していた演奏会が再開される。その時の、民衆の喜びの気持ちとは、一体どれほどのものだったでしょうか。それは、この音を聞けば、もう言葉は不要です。
一方、紅白歌合戦で歌われている曲の中で、60年後も100年後も、愛され続けるものがどれくらいあるでしょうか・・・。ちょっと心配です。芸術とは、今のセールスとは、別の次元で創造されるべきものです。仮にその時、理解されなくても、後世へ何かを残すことができたら、それも成功ではないかと思います。結局のところ、自分「自身」を信じて、創造していくことが、本当の幸福のような気がします。
今年も一年、いろいろな良き経験ができそうです。とてもワクワクします。
2012.01.01
謹賀新年
謹賀新年
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
そして今年一年が、全ての人々にとって、明るく、平和で、健康で、幸せな一年になりますように・・・。
2012年(平成24年)が始まりました。外はやや曇り空ですが、太陽の暖かい光がしっかりと見えます。たとえ雲があっても、雨が降っても、雪が降っても、雲の上にはどんな時でも、燦々としたSUN(太陽)が在ります。そのことを忘れなければ、大丈夫だと思います。私たち一人ひとり、心の中に、いつでも太陽を持っています。その暖かい光に、感謝をして、「今」の連続を「ありがとうございます」の意識で生きて行くことだと思います。
丸二の今年のテーマは、「好かれる人になろう。好かれる会社になろう」です。昨年、創業以来初の1,000件を超える工事件数と成りましたが、その基礎には、「お客様に好かれる会社になりたい」という強い意志があったように感じます。今年もその気持ちをさらに高めて、世の中にとって大切な会社に成って行こうと決心しています。
今朝もいつものように会社に来て、神棚のお水を取り替えました。だんだんと空が明るくなって来て、小鳥の声も聞こえます。毎日、毎年、このようにして、朝が来て、夜が来ます。365日(366日)で、地球が太陽の周りを一周して、また元の位置に戻って来ます。一日24時間で、地球はもの凄いスピードで、一回転しています。でも私たちは、そんなことは当たり前のようになっていて、忘れています。そのどこか一か所にでも、ちょっとした誤差やミスが生じただけで、私たちは一瞬にして無くなってしまうのに。
大自然の安定した運行に危害を及ぼすような自然破壊を止めるには、今のあらゆるシステムを変えて行かなければなりません。日本人だけでなく、世界中の人々が協力して、新しいシステムを開発し、それに挑戦して行くことです。その基礎的な理念こそが、感謝の心、「ありがとうございます」ではないかと、いつも思っています。その中心に、日本が在ると思います。日本人の最高の人間性こそが、新しいシステムの中枢に成ると思います。
今年も一年、いろいろなことが起きると思いますが、全ては前へ進むため。みんなと楽しく、ワクワクと、新しい時代建設に参加して行きたいと思います。そのためにも、丸二の「命綱の建築」を、より多くのお客様へお届けしようと思います。それはとてもワクワクすることです。この時代に生まれてきた醍醐味を、素直に味わいながら、たくさんの良き経験をして行きたいと思いますので、今年も一年、何卒よろしくお願いいたします。ありがとう御座位ます。