2019.12.26
不思議なヴェール
2019年(令和元年)も終りに近づいて来ました。来年2020年(令和2年)は一体どのような年に成るでしょうか。今年は新天皇の即位が無事に執り行われ、新たな「令和の時代」が始まりました。そして来年は、「東京2020オリンピック・パラリンピック」の年です。世界全体を見渡してみれば、益々不穏な空気が濃厚に成っている訳ですが、何か日本だけは不思議な(ヴェールの様な)薄い膜で包まれている(守られている)様な感覚がします。もちろんこの薄いヴェールが弾けてしまえば、世界の激流に巻き込まれてしまうけれど・・・。
日本の現状については、(いつの時代でも)楽観的な見方と悲観的な見方が共存しています。景気の悪化や自然災害の発生、あるいは防衛という面においては、私たちは常に冷静な目で現実を直視し、最悪の想定が大事だと思います。その想定に基づいた具体的な対策と準備によって、大難が小難と成り、無難へと転化するからです。けれども同時に思うべきは、「今日もご飯が食べられる幸せ」や「今日も布団で眠れる奇跡」に対する気づきと感謝です。
日本の国魂がこの不思議なヴェールを創造し、まるで日本全体を包み込んでくれているのではないかと感じることがあります。目に見える世界では、確かに厳しい世の中が現実化しているのですが、本当(真実)は、全く逆で、完全に守られている(絶対に大丈夫という)並行世界に(私たちは)生きているのかも知れません。まるでトランポリン(月面)の上を歩くかの様に、(嬉々として)この日々を生きている(生きられる)のではないかと・・・。
今年の11月、京都でお祝い事があり、紅葉の始まる少し前の上賀茂神社へ行きました。その境内の木々の合間を流れるる美しい小川のせせらぎに、日本を守る存在の声を聴いた気がしたのです。目には見えない日本の国魂が、原始大和の精神をまるで守護しているのかの様な感覚です。けれども日本人が日本人の心を失えば、その声はきっと聴こえなくなり、ヴェールの膜も弾け飛んでしまうのでしょう。つまり本当に心配すべきは、私たち日本人一人ひとりの心の在り様ではないかと思うのです。
今年は新天皇の即位により、(危うく失われつつあった)日本人の心を思い出すことが出来ました。まさに紙(神)一重のところだったと思います。私たち日本人の一人ひとりが、日々の(自分自身の)日常生活や仕事の中で、自らの人間性(人柄)を高め、(今の日本に生かしていただいていることに)感謝して行けば、自ずと日本の道は拓かれると思います。経済や景気も、時代の潮流には逆らえませんが、無難にできると思います。
今の日本人に必要なことは、常に最悪を想定しながらも、この毎日を明るく感謝の心で生きて行くことです。そこには楽観も悲観もなく、只淡々と(黙々と)歩くのみ。世間を気にするのではなく、自らの中身を向上させて行くことに意識を向けて、この日々を嬉々として暮らして行けば、思ってもみなかった素晴らしい世界が拡がると思います。本当に「日本に生まれて良かった」と心底思う時代も来ると思います。日本はまだまだ恵まれています。今後も多くの外国人観光客が訪れるでしょう。多分、外国人にしか分からない不思議なヴェールを観るために・・・。