2012.03.24
純粋性について
今、日本の政治が向かっている方向は、「増税」「原発推進」「対米従属(TPP)」という3本柱のようです。そこには常に「復興のため」「社会保障のため」「温暖化対策のため」「電力確保のため」「景気回復のため」「防衛のため」という「枕詞」が付いています。多くの国民は「それなら仕方ないか」という気持ちのようです。でも何か、巧妙な「すり替え」があるようにも感じられます。国民は、等しく誰もが、「復興」「社会保障」「温暖化対策」「電力確保」「景気回復」「防衛」を心の底から「純粋に」待ち望んでいます。よって「そのために」と言われれば、それを素直に、純粋に、信じる道を選びます。
でもその「大前提」は、国民の「純粋性」に対して、政治家も同様の(あるいはそれ以上の)「純粋性」を「有している」ということです。私たちは(時に)疑念を持ちます。「政府は本当に国民のことを考えているのだろうか」「実は別の理由があるのではないか」「何か大事な情報を隠しているのではないか」「本当はもっと良い選択肢があるのに、自分の立場や地位を守る方を優先しているのではないか」と。日本の国民は本当に純粋です。世界中どこを探しても、日本人ほど純粋な国民はいないと思います。時にこのような疑念を抱きつつも、心の底流においては、「まさか、そんなことはしないだろう」と固く信じています。
もっと大きな視点で見ると、今の日本の政治には、「日本を良くしない(してはいけない)」という明確な意志が働いているようにも感じます(多分、無意識の総意として)。クラスの中で、本当は一番優秀で、人柄が良くて、リーダーシップもあるのに、突出すると「番長たち」からの「いじめ」に遭う。それを心底恐れている一人の生徒こそが、今の日本の姿のように映ります。とにかく目立たないこと、わざと弱いフリをすること、一番にならないこと。それが生きていくための唯一の術なのです。
そのような(広い)意味において、日本の政治家も「純粋」なのでしょう。否、日本にはそもそも「政治」自体が存在していなかったのかもしれません。自国を「より良く(強く)しよう」とする強烈な意志の無い政治など、「政治」では無いからです。同時にそのような「無政治」のおかげで、今の日本が在るとも言えます。すべては必然必要です。でも、これからはどうでしょうか。日本の未来のみならず、世界(地球文明)の未来を考えた時、そろそろ本物のリーダーが出て行かなければ成りません。心から「純粋」な気持ちで、世界平和を実現しようとする人物が「クラス(世界)」をまとめて行くべき「時」が来たと思います。
国も、国民も、日本の持っている「圧倒的な力(資質、歴史、技術、国民性」」を信じて、もう「いじめ」を恐れずに、「世界をまとめよう」と決意するべき「時」が来たのではないかと思います。現状に息詰まった時は、あえて視点を切り替えて、物事を俯瞰することが大切です。日本(自分)のことばかり考えているから、埒が明かないのです。思い切って、世界(他者)のことも考えるべきです。そうそれば、(相対的に)小さな国内問題など、一気に方向性が見えて来るのではないでしょうか。政治は「ぐるっと」変わって行きます。
日本の政治家は、本質的には(他国に比べれば)素晴らしい「純粋性」を持っていると感じます(「目立たないことが日本のため」と信じているという面において)。でも、これからは「世界をまとめる」という勇気を持って、意識を180°変えて行かなければなりません。それはイコール「責任」を持つと言うことです。番長も、生徒会長も、校長も、社長も、「長」と付いた者は、自らの「生命」を担保としての重大な「責任」を持っています。それを恐れるのは、分かります。でも、今後の世界をリードして行けるだけの責任を持てる国(国民)は、どこを探しても、「日本」しか無いのではないでしょうか。その決意を持って、「日本をより良く(強く)していく」戦略に方向転換し、その上で世界(他者)のことも考えて行けば、自ずと「増税」「原発推進」「対米従属(TPP)」等の政策にも変化が生じて来ると思います。今の日本の最大の矛盾点は、国民は「より良く成ろう」と懸命に努力しているのに対し、国は「より良く成らないように」と懸命に努力していることです。ここを突破することです。
そうすれば国民の意識も変わり、結果として、日本も世界も「より良い方向へ」変わって行くと思います。それだけのことが出来るのが、日本だと思います。この日本の力の原点は、人々の「純粋性」であり「和の精神」ではないでしょうか。日本が主導する世界を考えると、とてもワクワクして来ます。現在のような「戦争経済」や「競争社会」ではなく、きっと「自然との共生」「人々を幸福にする技術」「世界平和」「貧富の差の解消」「クリーンエネルギー」「東洋医学(予防医学)」「清浄な街づくり」「和、助け合いの精神(人格形成)」「農業、林業の再生」・・・いろいろなイメージが生まれてきます。
このような大きな方向性(ビジョン)を共有することが出来れば、当面の厳しさは簡単に乗り越えられると思います。そこが日本人の凄いところです。昨年の3.11は、「勇気を持って、動け。なぜ、動かないのだ」と言う、自然界からの啓示だったのではないでしょうか。なぜ日本だったのか・・・。私たちは、早く気づくべきだと思います。