2011.08.16
心で改革
今年の8月は、米国債のデフォルトは回避されたものの、(史上初)米国債の格下げが発表され、世界的にドル売りと株式相場の下落が始まり、そのまま日本はお盆に入りました。お盆休みの間は、比較的静かでしたがが、お盆明け以降どのような動きが出て来るのか、とても興味があります。このまま円高が進むと、日本経済はまた大きな局面を迎えるのでしょう。
それにしても「円高」とは・・・こんなに財政が苦しい日本でも、ドルに比べれば安心ということなのでしょうか。日本の国債は、ほとんどが国内で消化されているので、実質、外国から借りているのではないから、大丈夫と言う見方があります。そうならそれで良いので、増税や消費税アップではなく、大規模な景気対策、復興対策へ全国民のエネルギーを向けて欲しいものです。ただし、今までとは違ったやり方、つまり、人の心や環境が破壊されない、新しい経済の有り方への挑戦として・・・。
もう少し分かりやすく言うと、失業率と自殺が減少することと、今まで世に出なかった技術と農林業に光が当たる道です。そのような芽が、今まさに生まれようとしています。多くの人々が、このままではいけないという問題意識を持ち始めています。イギリスの暴動を見て、若者の気持ちを大切にしていかないといけない、そのためにも失業を無くして行かなければならないと。
また、先進国でありながら、これほどの多くの人々が自ら命を絶つ社会は、どこかおかしい。原発からの脱却も何とか始めなくてはいけない。国内の農業、林業を活性化し、環境を再生し、食糧自給率を高め、山を護り、地方に職を増やす。そのような過程の中で、生きることの素晴らしさ、喜び、感動、感謝を自らの魂に刻むこと。
世界第1位の日本の技術力(ハイテク、バイオ、エネルギー等)はさらに磨き、断トツのトップとなり、その超技術力でイニシアティブを発揮して、世界を平和に、豊かに、幸福にしていく(日本だけが、新技術を平和利用に生かせると思うから。あるいは、平和利用のためにしか売らないという強い信念を持つ)。特に、今まで世に出なかった多くの技術を認め、公開していくこと。そのためには、今現在の「システム」が一度壊れなくてはならない。それが今、起きている現象の数々だと思います。
世の中を平和で幸福にするために、日本は何かを成し遂げなければなりません。それは政治の力では無く、一人ひとりの力の集合のような気がします。ロンドンの暴動の映像を見て、その凄まじさに驚きましたが、どのような状況になろうとも、日本ではあのようなことは起きないと思います。それは、行動力が無いとか、問題意識が少ないとかいう理由では無く、暴力で物事が解決することはあり得ないと、魂レベルで知っているからです。だから、私たちは一人ひとりが心の中で、(日常の中で)何かを成し遂げようとしていると思います。そういう新しい「改革」が始まったのではないでしょうか。
暴動とか、クーデターとか、テロとか、戦争とか、政変とかで、世の中を変えて行く「改革」はもう終わり、日本人は、「人心改革」で世の中を変えようとしているのだと思います。原発反対のデモ行進では無く、風力発電や地熱発電をしている人を見つけて、評価し、応援する。あるいは、被災地のために、自分が出来ること(小さなこと)を見つけて、やってみる。個人個人が、正しい生き方を探求し、実践していく。このようなことの連鎖で、社会を大きく変えられることを証明していきたいと思います。
仕事でもそうです。どのような商売にせよ、お客様の立場に立って、長く信用をいただける仕事をし続けることしかありません。特に建設業は「そこ」です。いつまでもお客様や建物のことを大切にして、誠心誠意の感謝のサービスを継続していく以外に、生き残る道は無いのです。10年後、20年後、30年後、そしてもっと先まで、ずっと建物をお守りしていく。そういう決意を持つこと。これはとても地味な仕事で、なかなか評価を得られにくいことです。それでも、そこが大事と、歯を食いしばってやっていくのが建設業の「心」です。
私たちは、このような心のあり様が、何かを変えると信じています。そして、今の日本にこそ、この「心」が大切だと思います。10年後、20年後、30年後先まで、子どもたち、孫の世代を守っていくという信念です。もっと言えば、世界を守っていくという信念です。日本の力は、まだまだこんなものではありません。もっと可能性を信じて、伸ばして行きたいと思います。あと少しです。