2008.01.17
再生紙偽装
「年賀再生紙はがき」の古紙配合率が、全部ウソだった!!・・・というニュースを見て、何か怒りが込み上げてきました。作業工程上のミスだとか、配合基準の認識不足だったというような過失ではなく、完璧に経営レベルの故意によるもの。しかも納入メーカー全て(大手5社)が偽装をしていた。なおかつ、年賀ハガキのみならず、すべての再生紙ハガキも偽装。配合率40%のところを、全メーカーが1~20%・・・つまり半分以下しか入れてなかったのです。そして(当然だと思いますが)、はがきだけでなく、コピー用紙やノートも・・・。
建築業界でも、構造計算の偽装(姉歯事件)がありましたが、それは一人の構造設計者による考えられない過失であり(もちろん防止するためのシステムや責任体制に重大な問題があります)、今回のような大手メーカー総動員の「だまし」ではなかったように思います。建築の場合、建物が生産される「現場」は常に屋外にあって、多くの人様の目に触れていますし、発注者や監理者の厳しいチェックも受けています。それでも、今後は姉歯事件のような事が起きないよう、さらなる基準づくりを進めています。
しかしながら、今回のような大手製紙メーカー全体の足並みを揃えたかのような偽装は、人様の目に触れない密室(工場)で製造されているモノなので、メーカーの名前や品質表示を100%信じる他なく、なかなか見抜くことが出来ません。もし、品質表示が全くのウソとなると、しかも、「(多分)だますつもりで、だましていた」となると、どのようにして消費者は対抗していけばいいのでしょうか。
日本郵政も、今まで10年以上このような偽装に気づかず(本当に気づかず?)、国民に「年賀再生紙はがき」を大宣伝して、大量に販売していたことになります。一方、姉歯事件においては、建物を販売していたマンション・デベロッパー「ヒューザー社」が、大きな責任を取らされました。さて、日本郵政はどうするのでしょうか。「環境に負荷を掛けない古紙再生紙」だと思って、商品を購入していた多くの消費者への、重大な責任があると思いますが。
食品に続いて、今度は紙。今回も、恐らく内部告発から出てきたと思います。さあ、いよいよ「偽物」から「本物」へと、人々の意識の次元(ステージ)が上がってきました。これはきっと良い兆候だと思います。ですから、この時代の大変化に乗り遅れないように、私たち一人ひとりが早く「本物」にならなくてはいけません。人やライバル会社との競争ではなく、時間との競争になりました。「一日一生」の意識で、「今」と「今日」を大切にしていこうと思います。