社長ブログ

現場が造る「100年建築」

今日は、今年最後の技術研究会を行いました。技術研究会は、研究課題別にチームをつくり、年間を通して、より良い品質・技術・仕様等を検討していくものです。今日の研究会は、今年一年の成果発表となり、各チームによる充実した内容が報告されました。
あるチームの発表の中に、横浜の「三井物産一号ビル」見学の報告がありました。このビルは、明治44年に建てられ、関東大震災にも耐えた全鉄筋コンクリート造建築で、あと4年で築100年に届くそうです。これは、私たちのビジョンである「100年建築」に繋がっています。
現代の「100年建築」の実現のためには、ルネス(逆梁)工法、外断熱工法に加えて、コンクリートの超耐久性が必要となります。今日の発表においては、それぞれのチームが、それぞれの工法に対する非常に真面目かつ誠実な研究報告をしてくれました。本当に、ありがたいことです。
また、そのような工法を支えるのは、当然、「品質」という技術の基礎です。ここに焦点を当てたチームは、新しい品質管理のチェックシステムを提案してくれました。「光触媒」という、外壁を美しく保全する素材の実験結果を出してくれたチームもあります。みんな、「100年建築」を支える大切な要素です。本当に、ありがたい。
明治の時代に出来たことが、現代で出来ないはずは無い。「100年建築」は、絵に描いた餅ではない。それを実現するための誠実な取り組みを続けていけば、必ず実現できる。そのような自信と期待を、今日の社員さんの発表を通じて、改めて感じることが出来ました。本当に、ありがとう!!
私たちの取り組みは、日本の建築文化を取り戻すことなのかもしれません。そういう意味で、決して「新しい」ことをしているのではなく、本来のあるべき姿に「還る」だけなのかもしれません。ただ、「当たり前の建築をする」ということだけなのかもしれません。それを、現代の「新しい」技術を駆使して。
いつも、社員さんの取り組みから学びます。このようにして、ひとつひとつが有機的に結び付き、「100年建築」は完成されていくでしょう。それは常に、現場で汗を流して格闘している人々の、日々の地道な前進の積み重ねがあってこそ。この現代社会において、現場で建築に取り組む人々の誠実さこそ、最高に讃えられるべき対象ではないでしょうか。私は、心からそう思います。ありがとうございます!!