2007.11.09
「国家の品格」を聞いて
昨日、お世話になっている信用金庫様の主催する経営者セミナーに参加し、「国家の品格」で有名な藤原正彦氏の講演を聞くことが出来ました。「国家の品格」は、以前から読んでいて、その内容に心から共感していたので、とても有意義な時間となりました。
「美しい情緒と形」こそが、日本人の本質であり、これを取り戻すこと。卑怯はよくない。今、国語教育こそが最優先。子どもには、たくさんの本(例えば、日本人の偉人の伝記など)を読ませる・・・。
「卑怯」を最も嫌う国民性だったのに、今は・・・いじめを見て見ぬ振りをする卑怯、自分だけ儲かればいいという卑怯、弱いものを救おうとしない卑怯で蔓延している。これを「恥ずかしいこと」だと思えなくなってしまった・・・。
農家を大切にすること。食糧自給率を高めること。国土を美しい田園に戻すこと。美しい田園風景から、日本人の「美しい情緒と形」は生まれる。だから、すべての国民は、日本人の精神の源泉を作り出しているお百姓さんに感謝しなければならない。どんなに財政が厳しくても、弱者である農家やお百姓さんをまず最初に守ること。こういう理念こそが、「国家の品格」というものである。
以上のような、いろいろなお話の一つ一つに納得させられました。かつての日本人にとって、このような感覚は当たり前だったのでしょう。その当たり前が当たり前に出来なくなり、日本の社会から「誠実さ」が失われつつあるのではないかと思います。
結局のところ、「やせ我慢」ということではないでしょうか。「武士は食わねど高楊枝」ではないですが、志あるものは、貧しくても、やせ我慢して、心を高く持っていた。むしろそのことを誇りとしていた。そのような文化が、日本人の心の中に「美しい情緒と形」を形成していったのでしょう。
「誠実さ」と「やせ我慢」は、どこかで通じているような気がします。